平均待ち行列長の近似式の精度比較(2)

次にM/D/sとD/M/sについて近似式

  • c_a{\le}1の時
    • L_q=\frac{c_a^2+c_e^2(u+(1-u)c_a^2)}{2}\frac{u^{\sqrt{2(s+1)}}}{1-u}・・・・(8)
  • c_a>1の時
    • L_q=\frac{c_a^2+c_e^2}{2}\frac{u^{\sqrt{2(s+1)}}}{1-u}・・・・(9)

の精度を調べてみます。正確な値としては「GI/G/m待ち行列の近似(Approximations for the GI/G/m queue)」の表3と表2(「Whitt教授の「Approxomations for the GI/G/m queue」の翻訳(12)」参照)に出ているものを使用します。


M/D/sの場合にはc_a=1c_e=0ですから式(8)(9)は

  • L_q=\frac{1}{2}\frac{u^{\sqrt{2(s+1)}}}{1-u}・・・・(11)

という式になります。この式で求めた結果を正確な値と比較すると下の表のようになります。

両者の差の絶対値は大きくて0.3です。このくらいの誤差を覚悟すれば、近似式として充分使用可能だと思います。


一方、D/M/sの場合にはc_a=0c_e=1ですから式(8)(9)は

  • L_q=\frac{u}{2}\frac{u^{\sqrt{2(s+1)}}}{1-u}・・・・(12)

という式になります。この式で求めた結果を正確な値と比較すると下の表のようになります。

今度は、誤差の絶対値が0.5を越える場合も出てきてしまいました。一番誤差が大きいのはサーバ100台で稼働率98%の時で、誤差は1.5になっています。上の表では誤差の絶対値が0.5以上のところを紫色に塗りました。