待ち確率の近似式(6)

待ち確率の近似式(5)」のつづきです。
そこで考えたのが、「「待ち行列システムGI/G/1における待ちについての近似公式」の内容検討(1)」の式(11)(12)(KraemerとLagenbach-Belzの近似式。ここでは番号を振り直して式(39)(40)(41)とします)

  • b=u+(c_a-2-1)u(1-u)h(u,c_a^2,c_e^2)・・・・(39)
  • c_a{\le}1の時
    • h(u,c_a^2,c_e^2)=\frac{1+c_a^2+uc_e^2}{1+u(c_e^2-1)+u^2(4c_a^2+c_e^2)}・・・・(40)
  • c_a>1の時
    • h(u,c_a^2,c_e^2)=\frac{4u}{c_a^2+u^2(4c_a^2+c_e^2)}・・・・(41)

を用いることです。bはGI/G/1待ち行列の待ち確率なので

  • \Pi(GI/G/1)=b・・・・(42)

です。これと、\Pi(M/M/s)の近似式

  • \Pi(M/M/s)=u^{\sqrt{2(s+1)}-1}・・・・(43)

から\Pi(GI/G/s)の近似式を

  • \Pi(GI/G/s)=u^{\sqrt{2(s+1)}-2}b・・・・(44)

と置きます。ただしbは式(40)または(41)によって求めます。


では、この近似式で、c_a^2=4.0であるようなH_2/D/s待ち行列の待ち確率を計算し、正確な値と比較してみます。


待ち確率の近似式(5)」であったような、待ち確率が1を超えるようなことはなくなりました。しかし、誤差は最大で0.2を超えていて、あまり精度がよくありません。これをどう改善したらよいのか、私にはまだ良い案がありません。