平均待ち行列長の近似式の精度比較(15)

平均待ち行列長の近似式の精度比較(14)」の続きです。
最後に、E_2/E_2/s待ち行列について、平均待ち行列L_qに関する2組の近似式の精度を比較しました。表の見かたは「平均待ち行列長の近似式の精度比較(11)」と同じです。正確な値はWhitt教授の論文「Approxomations for the GI/G/m queue」の表6(「Whitt教授の「Approxomations for the GI/G/m queue」の翻訳(14)」参照)から引用しました。正確な値の欄で空白なところは、元の表6にその値が示されていなかったことを表しています。


この場合も「近似2」のほうが精度がよいです。


以上、さまざまな待ち行列についての精度比較から、近似2、つまり

  • c_a{\le}1の時
    • L_q(GI/G/s)=\frac{c_a^2+c_e^2(u+(1-u)c_a^2)}{2}\frac{u^2}{2(1-u)}\left[u^{\sqrt{2(s+1)}-2}+b^{\sqrt{2(s+1)}-2}\right]・・・・(61)
  • c_a>1の時
    • L_q(GI/G/s)=\frac{c_a^2+c_e^2}{2}\frac{u^2}{2(1-u)}\left[u^{\sqrt{2(s+1)}-2}+b^{\sqrt{2(s+1)}-2}\right]・・・・(62)

のほうがよりよい近似式であることが分かりました。