M/M/∞について(2)

M/M/∞について(1)」の続きです。
M/M/s待ち行列について[tex:k

状態kである確率をp(k)で表すと、上の図から

  • p(k+1)\frac{k+1}{t_e}=p(k)\frac{su}{t_e}・・・・(1)

が成り立つことが分かります。式(1)を変形すると

  • p(k+1)=\frac{su}{k+1}p(k)・・・・(2)

となります。式(2)から0{\le}k{\le}sの場合

  • p(k)=\frac{(su)^k}{k!}p(0)・・・・(3)

が成り立つことが分かります。式(3)は任意のs0{\le}k{\le}sであるような任意のkについて成り立ちます。そこでsを無限大に近づけても式(3)が成り立つことが分かります。しかしs\rightar\inftyで式(2)が意味のある値になるためにはsuが有限の値である必要があります。ということは、u\rightar{0}でないと式(2)が意味を持ちません。そこで

  • \alpha=su・・・・(4)

とおいて、\alphaが有限になるようにs\rightar\inftyu\rightar{0}にします。式(4)を式(3)に代入して

  • p(k)=\frac{\alpha^k}{k!}p(0)・・・・(5)

これで、M/M/∞の時のp(k)が「M/M/∞について(1)」の式(20)(ここでは番号を振り直して式(6)とします。)

  • p(k)=A\frac{\alpha^k}{k!}・・・・(6)

形を持つことが分かりました。


しかし、待ち行列理論のウェブや本を調べていくとM/G/∞の時もp(k)が式(5)のようになるということが書かれています。つまり、到着分布がポアソン分布でありさえすれば、処理時間の分布がどのようなものであってもp(k)は式(5)の形になるとのことです。これはなぜでしょうか? 次は、M/G/∞待ち行列のジョブ数の分布p(k)について考察します。