【論文翻訳】M/D/c待ち行列の新しい結果と古い結果(8)
3.2. 待ち時間確率
さて確率変数を番目に受け入れられた客の待ち行列での待ち時間として定義する。以前と同じようにである。有限キャパシティM/D/c/c+N待ち行列におけるの計算は、無限キャパシティM/D/c待ち行列におけるよりずっと複雑である。M/D/c待ち行列におけるについての美しい公式はの場合を除いてM/D/c/c+N待ち行列用に改造することが出来ない。単一サーバの場合()について、待ち時間確率についての公式に以下の改造が適用出来る。で,…, の場合、待ち時間確率は
で与えられる。ただし、0, 1,…, についてである。
我々はどのようにして複数サーバの場合に進むことが出来るだろうか? 我々は上の公式に明らかな変更を加えたものを複数サーバの場合の近似式として試したが、これはいい結果が出なかった。また、M/D/c/c+N待ち行列における、平均待ち行列長や(条件付き)待ち時間パーセンタイルのような性能尺度の、M/M/c/c+N待ち行列における対応する値の1/2による近似もいい結果が出なかった。例えば、 とでのM/D/c/c+N待ち行列とM/M/c/c+N待ち行列において、平均待ち行列長は0.8の時に0.624と0.959の値を持ち、0.95の時に0.726と1.002の値を持つ。、で0.95での場合、M/D/c/c+N待ち行列での待ち時間確率のシミュレーションでの値は0.545で値0.8とはかなり異なる。我々が試みた別の方法は以下の近似のアイディアに基づいている。もし到着する客が個のサーバの全てがビジーであるのを見出すならば、処理中の個のサービスの残りサービス時間を、で一様分布している独立な確率変数で近似する。次に、受け入れられた客が到着時に全てのサーバがビジーであり個の他の客が待ち行列で待っているのを見出す場合のその客の条件付き待ち時間は、の場合で、の場合で、などのように近似される。ただし・・・[tex: