日本の神々 松前健著

この本を全部読もうという意図はなく、今、自分が気になっている天照御魂(あまてるみたま)という神について情報を得たいために読みました。その神についてこの本で書かれていることはほぼ以下の記述で言い表されます。

 天照御魂(あまてるみたま)という霊格については、私は前に幾つかの論考を書いたことがある。要するに、この神については、
(a)伊勢の天照大神(あまてらすおおみかみ)とは別の日神であること。
(b)男性神格と考えられていること。
(c)その中の若干が対馬系の日神天日神命(あめのひみたまのみこと)であること。
(d)それ以外の天照御魂神の多くが、尾張連(おわりのむらじ)氏およびその同族と伝えられる諸豪族の奉戴する神であったこと。
(e)尾張氏系の天照御魂神は、彼らの系図上の祖先の火明命(ほあかりのみこと)とおそらく同神であるらしいこと。
(f)対馬系の天照神も、尾張氏系の天照御魂神も、みな海人族にゆかりのある霊格であること。
等々の事実が確証せられたのである。

今回読んだ内容を自分なりにまとめるにはまだ時間がかかります。自分の中であまり消化出来ていません。また、いつかここに舞い戻るでしょう。松前健氏の本は以前「出雲神話」をよく読んでいたので、記述になつかしいものがあります。今回、松前健氏のことをWikipediaで調べてみて折口信夫氏のお弟子さんだったことを知りました。