最近、考えていること

あまり考えがまとまっていないが、最近、Factory Physics

を読み直していて、その内容にあまり感心していない自分を発見する。その記述に昔ほど感心せず、むしろ、論理上の穴が目についてしまう。現在、自分がやり玉にあげているのが、Practical worst caseの工場という概念で、これは実際にそんなに役立つ概念なの? と思う。これは非常に特殊なケースであって、それを現実の工場と比べることはほとんど意味がないし、では教育的価値があるかと言えば、そうでもないと思う。


その一方で、ひさしぶりに読み直したゴールドラットの「ザ・ゴール」

は、おもしろかった。以前、読み込めていなかったところにも気がつくようになった。気付いた点のひとつは、この本から結論だけを学ぶような姿勢ではダメだ、ということ。工場をどう立て直すかについて主人公のアレックス・ロゴと一緒に悩む気持ちで読んでいくべきだと気付いた。大切なのは結論ではなくそこに至った考え方だ。結論は、あえていえば暫定の結論でしかない。そこに固執していると状況の変化についていけない。それよりも、どのように考えるかが、より大切だ、と気付いた。気付いたことの2番目は、アレックス・ロゴが仕事に没頭して家庭をおろそかにしているために、彼の妻が家を飛び出してしまい、離婚の危機が訪れる、というプロットは、以前読んだ時には話を面白くするために添えられた本筋とは関係のない話だと考えていたのだが、実はこれも前述の「どのように考えるか」という主題に結び付いているということ。その点がのちの著書「ザ・チョイス」

での、いかに有意義な人生をおくるか、という主題に結びついているように今回は読めた。


やはり、工場の振る舞いの理解の仕方については、自分なりの体系を作っていくべきなのだろう。