バッチ装置の待ち行列の解析(18)

バッチ装置の待ち行列の解析(7)」で求めたバッチサイズ2ジョブの「なりゆきバッチルール」のM/M/1の装置の占有率u_{oc1}をバッチサイズnジョブの場合に拡張しておきます。「バッチ装置の待ち行列の解析(7)」の式(47)

  • u_{oc1}=1-p(0)・・・・(47)

はバッチサイズnジョブの場合にも成り立ちます。p(0)は「[バッチ装置の待ち行列の解析(16)]」の式(118)

  • p(0)=\frac{1-au}{1+(n-a)u}・・・・(118)

で求まっています。ただしa

  • \Bigsum_{k=1}^nu^{k-1}a^k-n=0・・・・(120)

の解です。よって式(47)と(118)から

  • u_{oc1}=\frac{nu}{1+(n-a)u}・・・・(125)

となります。さらに「バッチ装置の待ち行列の解析(8)」で求めた1回の処理で処理するジョブ数の平均値(処理時平均処理ジョブ数)B_1もバッチサイズnジョブの場合に拡張しておきます。まず

  • B_1u_{oc1}=nu・・・・(126)

が成り立ちます。よって

  • B_1=\frac{nu}{u_{oc1}}

この右辺に式(125)を代入して

  • B_1=1+(n-a)u・・・・(127)

となります。式(125)(127)を用いてn=6の場合(バッチサイズ6ジョブの場合)のu_{oc1}B_1稼働率uとの関係をグラフ化してみます。なお「バッチ装置の待ち行列の解析(13)」で行なったD/D/1の場合の考察もバッチサイズ6ジョブの場合に拡張した結果も併せて示しました。

  • グラフ7
  • グラフ8


稼働率が低いところでは「なりゆきバッチルール」では1ジョブで処理することになりますが、装置としては一度に6ジョブまで処理できるので、この場合の余分な稼働率はバッチサイズ2ジョブの場合よりかなり多くなります。