パターン認識(1)
ニューラルネットに数字を認識させることを考えてみる。たとえば、下の図のような横5マス縦7マスの格子を考える。
この格子を使って数字を表す。たとえば数字の3を以下の図のように表す。
下の図のようにこの1マス1マスが入力として、マカロック=ピッツのモデルに従う一つのニューロンに入力された場合、上記の数字の3の入力の時のみ1を出力するようにニューロンを設定することが出来るだろうか? なお、1マスが黒い場合にそのマスはニューロンに「1」の信号を伝え、白い場合は「0」の信号を伝えるとする。
さて、左から番目、右から番目の信号の値をで表すことにする。図2に示した数字の3は信号の組合せとしては以下のようになる。
- それ以外のは0・・・・(1)
次に信号に対応するシナプス荷重をで表すことにする。すると、このニューロンの出力は、マカロック=ピッツのモデルに従って
- ・・・・(2)
で表される。ここで、
- それ以外のは-1
- ・・・・(3)
とすれば、が式(1)の時に
- ・・・・(4)
となり、となることが分かる。今、式(1)で値が0であるのどれか1つの値を1に変えると、それに対応するの値がなので、式(4)の値はされてマイナスの値になるのでになる。式(1)で値が0であるが2つ以上1になった場合は、式(4)の値はもっとマイナスされるので、やはりになる。また、式(1)で値が1であるのどれか1つの値を0に変えると、それに対応するの値が1なので、式(4)の値はやはり-1されてになる。式(1)で値が1であるが2つ以上0になった場合も、やはりになることが分かる。
以上から、出力が1になるのは式(1)のの時のみであることが分かる。つまり、このニューロンは上の図2のパターンを見せられた時にのみ反応する、と言うことが出来る。