神経回路網の自己組織と神経場のパターン力学 甘利俊一著(4)

      • 神経細胞は、外界の情報に適応して自己の動作を変えることができる。これはシナプス荷重s_iを変えることで達成できる。これが、学習や自己組織の基礎と考えられている。Hebbは、興奮している(すなわち出力 が0でない)神経細胞に入った入力信号、すなわちこの神経細胞を発火させるのに寄与した入力信号については、そのシナプス荷重が少しずつ増える、というシナプス荷重の増強法則を提唱した。


神経回路網の自己組織と神経場のパターン力学――甘利俊一著――生物物理 Vol. 21 No.4 (1981)」より

ここにヘッブ(Hebb)の法則が登場します。ドナルド・ヘッブ(Donald Olding Hebb、1904年7月22日 - 1985年8月20日)は、カナダの心理学者で、神経心理学の開拓者の一人です。ヘッブの法則については日本語版のウィキペディアを見たのですが、情報があまり詳しくなかったので英語版も参照しました。これを訳し始めましたがまだ完了していません。すでに和訳した部分だけを紹介します。

ヘッブの理論
ウィキペディア、フリー百科事典より
ヘッブの法則は、学習中における脳の中のニューロンの適応についての説明を提供する神経科学における理論である。それは、前シナプス細胞の後シナプス細胞への繰り返された持続する刺激から、シナプスの有効性の増加が発生するという、シナプスの可塑性についての基本機構を記述している。(カナダの心理学者)ドナルド・ヘッブが1949年に自著「行動の機構」で導入した。この理論はまたヘッブの法則、ヘッブの仮定、細胞集合理論、とも呼ばれる。ヘッブはこれを以下のように述べている。
「反響する活動(あるいはトレース)の持続あるいは繰り返しがその安定性を増すような細胞の持続的な変化を誘発すると仮定しよう。.…細胞Aの軸索が細胞Bを興奮させるのに充分なくらい近く、Bの発火に繰り返し、あるいは持続して参加する時に、Bを発火させる細胞の1つとして、Aの効率が増加するように、ある成長過程または代謝変化が片方の、あるいは両方の細胞に起きる。」
この理論はしばしば「一緒に発火する細胞は一緒に配線させる」と要約される。しかしこの要約は文字通りにとらないほうがよい。ヘッブは、細胞Aは細胞Bを発火させるのに参加する必要があり、そのような因果関係は、細胞Aが細胞Bと同時にではなく直前に発火する場合にのみ起こり得ることを強調した。ヘッブの業績における因果関係の重要な局面は、一時的な先行を必要とするスパイクタイミング依存可塑性に関して我々が現在知っていることの前兆であった。この理論は、細胞の同時の活性化がそれらの細胞間のシナプスの強度の目立った増加を引き起こす、連想学習、あるいはヘッブの学習を説明することを試み、教育と記憶回復についてのエラーなし学習の方法の生物学的基礎を提供する。

私はまだこの記述を完全には理解していません。今の私に言えることは以下のようなことです。