スコットランドに滞在していた頃のことを思い出した。

単なるフラッシュバック。私が仕事でスコットランドに滞在していたのは1995年だからもう20年近く昔のことです。

茨の冠を頂く主イエスよ、
この紋章を掲げる生誕の地を守り給え。
御心ならば、この王位を継ぐ者が、
末永くこの世を治めんことを。
そしてまた主よ、願わくばその者の行いが全て
主の栄光、栄誉、称賛のためであらんことを。


エジンバラ城の中のキャビネットと呼ばれている小さな部屋に掲げられている文章


上に引用した銘には「この紋章を掲げる生誕の地」とありますが、ここで生まれたのは、のちのスコットランド王ジェームズ6世です。彼は、イングランド女王エリザベス1世が子供なくして死んだあと、イングランド王に迎えられました(イングランド王としてはジェームズ1世)。1603年のことです。この時初めてスコットランドイングランドは同じ君主を持つ国同士(同君連合)になりました。日本で言えば、徳川家康征夷大将軍に就任して江戸幕府を開いた年です。この頃までスコットランドイングランドとは別の国でした。そして1603年以降もエジンバラにはスコットランドの政府がありました。スコットランドが正式にイングランドと統合されてユナイテッド・キングダム(連合王国)になるのは1707年(日本では5代将軍徳川綱吉の頃)のことです。ですからスコットランドの人々が独立を言い出すのも(少しは)理解できます。


私が滞在していた頃は私が英語が分からなくて気づかなかっただけかもしれませんが、当時、独立の話はそれほど出ていなかったと思います。それでも、エリザベス2世はイングランド女王としては2世だが、スコットランドにはエリザベスという女王はかつて存在していなかったのだから、イングランド女王エリザベス2世兼スコットランド女王エリザベス1世と名乗るべきだ、という話は聞いたことがありました。イングランドスコットランド、部外者にはなかなかおもしろいです。


それから、またトリビアルな話になってしまいますが、上の写真にある紋章の「立っている赤いライオン」や両脇にいる「一角獣」はともにスコットランドの象徴です。