ホップフィールドネットワーク(10)

何が疑問になったかといいますと、

  • E=E_1+E_2+E_3・・・・(37)

である場合、Eを最小にすることが、はたして本当に巡回セールスマン問題の解になるかということです。巡回セールスマン問題は、E_1E_2=0の制約の元でのE_3が最小になるx_{ij}のパターンを見つけることです。ここで、E_1=E_2=0は必須条件です。しかし、E_1>0E_2>0でもE_3が十分に小さければ、それがEの最小値になってしまわないか、という心配があります。具体的には
全てのi,jについてx_{ij}=-1ならば、式(35)

  • E_3=\Bigsum_k^4\Bigsum_i^5\Bigsum_j^5D_{ij}\frac{x_{ki}+1}{2}\cdot\frac{x_{k+1,j}+1}{2}・・・・(35)

からE_3=0になります。しかし、この場合もちろんE_1

  • E_1=\Bigsum_{i=1}^5\left(\Bigsum_{j=1}^5x_{ij}+3\right)^2・・・・(28)

E_2

  • E_2=\Bigsum_{j=1}^5\left(\Bigsum_{i=1}^5x_{ij}+3\right)^2・・・・(29)

も0にはなりません。それでも、E_1=E_2=0でのE_3の最小値が、上の場合のEの値より大きい場合は考えられると思います。


これをどう解決するかですが、式(37)の代わりに

  • E=A(E_1+E_2)+E_3・・・・(38)

を用いればよいのではないかと思います。ただし、Aは充分大きな正の定数です。こうすれば、E_1E_2が0より大きい場合はEは非常に大きな値になるので、Eを最小にするには必ずE_1=E_2=0でなければならないことになると思います。それでもAの値をどう決めればよいのか、未だ私にはよく分からず、モヤモヤしています。