4次元の超球の表面積
「ガンマ関数(5)」で
- ・・・・(1)
の計算をする際にから極座標に置換えて計算しましたが、よく考えるとの部分はにだけ依存するので、これに半径の球の表面積の1/8を掛けてやり、それをで積分すれば式(1)を計算したことになります。なぜ球の表面積の1/8かというと、との積分の範囲が0からまでなので
上の図に示すようにを固定してとを変化させた時に出来る図形が球の表面の1/8になるからです。そこで半径の球の表面積をで示すことにすると
- ・・・・(2)
が成り立ちます。実際、「ガンマ関数(5)」の式(26)(ここでは式の番号を振りなおして式(3)とします。)
- ・・・・(3)
の右辺を変形すると
- ・・・・(4)
となりますが、この右辺の中の
を計算すると
となります。一方、球の表面積はなので上の式から
- ・・・・(5)
となることが分かります。よって式(5)を(4)に代入すれば式(2)になります。
ということは逆に考えると
を計算することで球の表面積を求めることが出来る、ということになります。これを拡張したら4次元の超球の表面積(4次元の超球の表面は3次元になるはずだから、「超」表面積と言うべきでしょうか?)も求めることが出来るそうです。
しかし、ここで、はたと困ってしまうのは、4次元の極座標というものを図示出来ないために、積分をする際の微小面積要素(3次元の極座標におけるにあたるもの)が直感的には分からないということです。しかし何とか頑張ってみましょう。
4次元の極座標はに加えて4番目の座標(角度)をで表すことにします。すると3次元の極座標からの類推で、微小面積要素(直方体)の各辺は以下のようになると思います。まず、の変化に対応する辺の長さはです。次に半径が超平面に投影されたのが図1のにあたると考えれば、これはではなくになります。よって、に対応する辺の長さは、に対応する辺の長さはになります。よって微小面積要素はになります。の積分の範囲は全て0からまでにします。このようにするとこれは4つの超平面で超球がそれぞれ半分に分割されたものになりますので、4次元の超球の表面積の1/16になります。4次元の超球の表面積をで表すことにすると以上のことから
- ・・・・(6)
となります。式(6)の右辺を計算すると
よって
よって
- ・・・・(7)
となります。