n次元の超球の表面積
「4次元の超球の表面積」では4次元の超球の表面積を求めました。では5次元の超球の表面積は求められるでしょうか? 4次元の極座標を考えるだけでも大変だったのに5次元になるともっと大変そうです。ところが「4次元の超球の表面積」を見直すと別の計算方法が見えてきました。まずは3次元の場合ですが、
- ・・・・(2)
をもう一度考えます。この式の左辺は「ガンマ関数(5)」の式(25)(ここでは式の番号を振り直して式(8)とします)
- ・・・・(8)
からであり、はすでに「ガンマ関数(3)」でであることが分かっています。よって式(2)は
- ・・・・(9)
となります。3次元の球の表面積は2次元ですからはに比例することが分かります。そこでを定数として
- ・・・・(10)
とおくと式(9)は
- ・・・・(11)
となります。式(11)の右辺は「ガンマ関数(4)」の式(24)(19)(ここでは式の番号を振り直して式(12)(13)とします)
-
- が0以上の偶数の場合
- ・・・・(12)
- が1以上の奇数の場合
- ・・・・(13)
- が0以上の偶数の場合
でとすれば
となることを考えれば式(11)は
よって
これを式(10)に代入して
- ・・・・(14)
確かには球の表面積の式になります。
4次元の場合は、式(9)を4次元の場合に拡張して
- ・・・・(15)
になります。4次元の超球の表面積は3次元ですからを定数として
- ・・・・(16)
とおくことが出来ます。式(16)を(15)に代入して
- ・・・・(17)
上の式(13)を用いれば
よって
となり、これを式(16)に代入して
- ・・・・(7)
となり、「4次元の超球の表面積」で求めた結果と一致します。
これを一般の次元の超球に拡張します。次元の超球の表面積をで表します。式(15)を拡張すると
- ・・・・(18)
になります。次元の超球の表面積は次元ですからを定数として
- ・・・・(19)
とおくことが出来ます。式(19)を(18)に代入して
- ・・・・(20)
ここで「ガンマ関数(4)」の式(18)(ここでは式の番号を振り直して式(21)とします)
- ・・・・(21)
を用いれば
よって
となり、これを式(19)に代入して
- ・・・・(22)
となります。