ラビュリントイオ・ポトニア(迷宮の女主人)(9)

ここまで、デーメーテールとペルセポネーの神話を読み直してきましたが、その中には2つの主題があったと思います。
1つは、ペルセポネーが一年のうち4か月は地下の冥界で過ごさなければならなくなった由来を語る話で、これは冬が起こるわけを説明している物語です。
もう1つの主題は、エレウシースの密儀の起源を物語る、というものです。
この神話から分かることはペルセポネーはずっと冥界に住んでいるわけではなく、天上界と冥界を行き来していること、そして季節の移り変わりをつかさどっていること、そのため植物の発芽、開花もペルセポネー(あるいはデーメーテール)の権能と考えられていた、ということです。これはつまり、単に死をつかさどるだけではなく再生をつかさどっている、ということになります。しかし、私にはまだペルセポネーと迷宮ラビュリントスの関係が分かりません。私は、この話を女神アパイアーから始めて、ブリトマルティス、迷宮の女主人、ペルセポネー、と、たどってきました。今私は、私自身が迷宮の中に入り込んだかのように、これからこの話をどこに持っていけばよいのか途方にくれています。それでも、今、気づいていることを書いておきます。
もし、カール・ケレーニイの言うようにペルセポネーの起源がクノッソスの「迷宮の女主人」であったのなら、やがてその崇拝がエレウシースまで伝わったことになります。私が面白いと思ったのは、アイギナ島がクレタ島からエレウシースに向かう進路の途中にあるということです。私が見たアイギナ島のアフェア神殿の女神であるアパイアーは伝説によればクレタ島から来たのでした。このことは、ペルセポネーの信仰がクレタ島からアイギナ島経由でエレウシースにたどり着いたことを示しているのかもしれません。