皇帝マルクス・アウレーリウス「自省録」からの抜書き

何か自分に対するおまじないになるかもしれないと思い、書き写します。

覚えておくこと。
我々の指導理性が難攻不落になるのはどういう時かというと、これが自分自身に集中し、自己の欲せぬことは行わずに満足している場合である。これはたとえその拒絶が理性的なものでない時でもそうであるが、ましてあることに関し理性をもって、よく見極めた上で判断する場合にはどんなであろう。
それゆえに、激情から解放されている精神というものは、一つの城砦である。ひとたびそこへ避難すれば以後絶対に侵されることのない所で、人間にこれ以上安全堅固な場所はないのである。
ゆえにこれを発見しない者は無知であり、これを発見しておきながらそこへ避難しない者は不幸である。


自省録 (岩波文庫)

自省録 (岩波文庫)