線形代数学の復習:実対称行列は対角化可能である(4)
【補題6】
実対称行列の固有値をとする。の固有空間の実ベクトルからなる正規直交基底をとする。もしが実対称行列の次元より小さい場合、にさらに個の実ベクトルを足しての正規直交基底になるようにする。とすると、
となる。ただし、は次の単位行列である。また、は次の実対称行列である。
(証明)
まず、が実対称行列であることを示します。そのために を計算します。補題4から なので
です。ここでは対称行列なので。よって
となり、結局
となります。よって、は対称行列になります。また、もも実行列なのでは実対称行列になります。
つぎに、、とすると、 、であることに注意すれば
となります。ここでが対称行列であることに注意すれば、
です。ここで
とおけば
と書くことが出来ます。ところでが実対称行列であったので、も実対称行列になります。