逆瀬川の近似式の精度

  • Kingmanの近似式とその拡張で紹介しましたM/M/m待ち行列の待ち時間(CT_q)を算出する逆瀬川教授の近似式
    • CT_q=\frac{u^{sqrt{2(m+1)}-1}}{m(1-u)}t_e・・・・・(1)
  • の精度を装置台数(m)が2台、3台、10台の場合について調べてみました。(なお、m=1の場合は、近似式はM/M/1の式CT_q={u}/{(1-u)t_e}に一致することは、上の式にm=1を代入すれば分かります。) 具体的には逆瀬川の近似式(1)と下記に示す厳密な式(2)の両方にm=2,3,10を導入して比較のグラフを作りました。
    • CT_q=\frac{m^{m-1}u^m}{m!(1-u)^2}{p_0}{t_e}・・・・・(2)
      • ただしp_0=\frac{1}{\Bigsum_{i=\0}^{m-\1}\left{\frac{(mu)^i}{i!}\right}+\frac{(mu)^m}{m!(1-u)}}
  • それを紹介します。なお縦軸{CT_q}/{t_e}は(待ち時間)/(処理時間)を、横軸uは装置の利用率を表します。



  • この結果から逆瀬川の近似式は非常に正確に式(2)を近似していると言えるでしょう。今回私は、m=10の(2)の式をExcelに計算させる作業をして認識したことがあります。式(2)はExcelで扱うのが式(1)よりずっと難しい、ということです。つまり式(1)は式(2)よりも使い勝手がずっとよいということです。これも式(1)の実務で利用する際のメリットだと思います。