ハプスブルク家
- 作者: 江村洋
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1990/08/10
- メディア: 新書
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この本のカバーに書いてあった惹句も私を引き付けました。
キリスト教が心なら、ハプスブルク家は背骨である。ヨーロッパという肉体の中心、結婚政策により勢力を保ち続けた名門王朝の歴史を探る
たぶんこれは著者の言葉ではなく出版社がつけたものだと思います。著者はこの本も前書きで同じ事をもう少し丁寧に(正確に)述べています。
ヨーロッパの歴史でキリスト教とならぶもう一つの基本的な構成要素は王朝である。
(中略)
西洋史全体の動向において、ローマ教皇庁とならんでただ一つの王朝だけが、汎ヨーロッパ的な性格と重要性を常に失うことがなかった。ハプスグルク王朝である。
この本はハプスブルク家の歴史を新書のスペースの中にコンパクトにまとめた名著だと思います。
この本に登場して私の印象に残った人物は、
- 始祖ルドルフ。逃げ回っていた皇帝フリードリッヒ3世。神聖ローマ帝国成立以来「皇帝」の称号が名前負けしない数少ない皇帝のひとりであるカール5世、マリア・テレジア、フランツ・ヨーゼフ、その妃で有名なエリザベートです。エリザベートは昔、ヴィスコンティの映画「ルードウィッヒ」を見て知っていました。
この本には最後の皇帝カールとその妃ツィタ、その子オットーは登場しません。この本を買った当時はまだオットーは生きていました。今も存命なのでしょうか?