Factory Physicsを勉強する目的

そもそも何のためにFactory Physicsを勉強しているのか、その目的を明示しておりませんでした。究極の目的は、儲かる工場運営をするためでしょう。しかしFactory Physicsは直接、儲け方を教えるものではありません。

上の図は、Factory Physics第6章 製造の科学に登場する図です。この図は工場が利益を上げるためにすべき事柄の連関を示した一例です。この図から、仕掛をどれだけ持つべきか、装置の稼働率は、(コスト削減のために)高くすべきか、それとも(顧客需要に迅速に対応するために)低くすべきか、などのいろいろな疑問が発生します。
また、法則(リトルの法則)が示すように、スループットと仕掛(=WIP)とサイクルタイムの間には関係があり、それぞれが勝手な値をとることは出来ません。それゆえ、工場運営にはさまざまなトレードオフがあります。これらのトレードオフを決断するために、たとえ正確ではなくてもスループットWIPサイクルタイムなどの諸尺度の間の大体の関係を理解する必要があります。それらの関係を理解した上で、工場の外部環境と内部状況に合わせて、さまざまなトレードオフを決断するのであれば、よりよい決断になると考えます。
Factory Physicsを勉強する目的は、工場運営に関わるさまざなトレードオフの関係を理解するためだと私は考えます。