第3章 最適化(2)

第3章のセクション10で、もうひとつ私がひっかかったのは「バッファー・マネジメント」という言葉です。これの意味するところがよく分かりません。「バッファー・マネジメント」の登場するところを以下に引用します。

「ええ、もちろん」ゲリーは胸を張ると笑ってみせた。「何を使えばソリューションを導き出せるかを彼らはわかっていましたから」
「<バッファー・マネジメント>(Buffer-Management)では?」レニーが訊ねた。
「そのとおりです」困惑した顔をして黙っているスコットに向かって、レニーが説明を始めた。「<ドラム・バッファー・ロープ>のフォローアップのステップだよ。リードタイムをどんどん縮めていくと、今度は別の問題が発生する。”マーフィー”が登場して製造工程の流れを遅らせてしまうことがある。そのレベルまで、リードタイムを縮めようとすると・・・」
「マーフィー?」レニーを制して、マギーが訊ねた。「機械の故障みたいなことですか?」
「基本的にはそんなとこです」レニーに代わってゲリーが答えた。「しかし私が心配しているのは、そんな大袈裟なことでなく、もっと基本的なことです。私のところでは機械が故障して一日以上ストップしてしまうことはめったにありませんが、顧客からのオーダーが作業を待って、二、三日どこかのワークセンターで滞ってしまうことがよくあります。一週間で大量のオーダーをこなそうというのなら、それをどうこなしたらいいのかちゃんと心得ていなければいけません。作業するオーダーの順番を入れ替えたりすることもしばしば必要ですが、ただ生産スケジュールを変更してばかりいては大混乱しています。そこで、プランニングシステムを補完する何らかの実行システムが必要だったわけです。
 私たちのところでは、<ドラム・バッファー・ロープ>を一週間に一度実行し、その結果、算出されたスケジュールに従って作業を行っています。もちろん、緊急なオーダーが入った時でも、スケジュールに追加するだけで、他の作業に支障をきたさないように、ボトルネックには十分な空き能力をとっておきます。資材の投入とボトルネックの作業は、常に決められたスケジュールどおりに行います。
 これに加えて、私たちのところでは<バッファー・マネジメント>もラインに導入しています。生産スケジュールと主なワークセンターからのフィードバックに基づいて、どの作業を優先させるべきか各部署に指示を出すのです」ゲリーは身を前に乗り出して、さらに続けた。「そこが鍵なんです。サポート業務の人間も含めて全員が常にバッファーの状況に注意を払う。製造工程のどこかに作業が溜まり始めたら、つまり仕掛り在庫が溜まり始めたら、次にどうすべきか、まずバッファーの様子を見るのです」
「<バッファー・マネジメント>のことを詳しく知りたいのなら、私の本を貸してあげるよ」レニーが、スコットマギーに向かって言った。「ああ、貸してくれ」スコットが応えた。

これだけです。ここからはバッファ・マネジメントとは実際にどのようにすることなのか、よく分かりません。
これは今後の宿題にします。