変動係数について

変動係数は、確率変数のバラつき具合を示す、無次元の数値で、その定義は、下の式の通りです。

平均で割ることにより、変動係数の次元のない数になります。
平均で割ることの意味は、例えば、重さについて、アリの体重のばらつきが1グラムあるのと、ゾウの体重のばらつきが1グラムあるのとでは、ばらつきの意味合いが異なることを正しく数字で示すためです。この例の場合、当然、ゾウの体重のほうがアリの体重よりばらつきが小さいことになります。標準偏差を平均で割るというのは、このような意味合いがあります。

指数分布の変動係数

指数分布には平均と標準偏差が等しい、という性質があります。よって、その変動係数(=標準偏差/平均)は、1になります。しかし逆に、変動係数が1の非負の分布は指数分布になるとは必ずしも言えません。

変動係数の感覚的な把握

変動係数を感覚的に把握するために、さまざまな変動係数を持つ分布を以下に示します。これはガンマ分布で平均値を一定(この場合は1.0)に保ったまま変動係数を0.1〜1.0まで変化させたものです。変動係数が1.0の時にはガンマ分布は指数分布になります。

変動係数0.0の場合はグラフに示しませんでしたが、バラツキがゼロですので、1.0のところで確率密度∞、その他で確率密度0になる分布、となります。