再びロットサイズ縮小の効果
- ここのところ、ロットサイズ縮小の効果について、
- ロットサイズ
- バッチサイズ
- ロットサイズ縮小によるバッチ待ち時間バッチ内待ち時間短縮効果の再考
- 「ザ・ゴール」でのバッチサイズ縮小の記述の検討
- [ロットサイズと処理時間の変動係数の関係:title=ロットサイズと処理時間の変動係数の関係]
- ロットサイズと処理時間の変動係数の関係(その2)
- ロットサイズと到着間隔の変動係数の関係
- で考察してきましたが、いままでの結論をまとめてみたいと思います。
- Factory Physicsの定義(ステーション・サイクルタイム)を再び参照して
- サイクルタイム=搬送時間+キュー時間+セットアップ時間+処理時間+バッチ待ち時間+バッチ内待ち時間+部品待ち時間
- ですが、ロットサイズを縮小すると、
- キュー時間、
- バッチ待ち時間、
- バッチ内待ち時間、
- (半導体ファブでは関係ないが)部品待ち時間、
- が短縮されることが分かりました。
- 一方、搬送時間は、ロットサイズ縮小が要求搬送量を増やすので、増加する傾向にあることが分かりました。
- セットアップ時間については、まだ議論していませんでした。ロットサイズが小さくなると直感的にはセットアップ回数が増え、セットアップ時間が増加するだろうと思えます。
- セットアップ時間については、「ロットサイズ縮小によるセットアップ(段取り)増加について」で議論します。(のちほど、この議論は不適切であったと判断しました。「ロットサイズのサイクルタイム(TAT)への影響再考」を参照下さい。)
- 最後に処理時間は変わりません。よって、サイクルタイムを最小にするロットサイズを最適ロットサイズと定義するならば、あと、搬送時間とセットアップ時間におけるロットサイズ縮小の影響を検討する必要があります。
- 以前、ロットサイズで
- ロットサイズを決定しているのは、搬送キャパシティではないか?
- と推測を述べましたが、
- ロットサイズを決定しているのは、搬送キャパシティとセットアップの回数と時間
- とするほうが、より正確なようです。
- しかし、この結果を半導体ファブに適用するには、私は以上の検討にまだ、抜けがあるのを感じています。それはキュー時間の検討のところです。キュー時間の検討には、Whittの近似式を用いましたが、この元になっている装置モデルは
- という単純なものです。これについてのある程度の拡張を待ち行列の考察における装置モデルの改善で試みましたが、まだ十分ではありません。ロードポートのモデル化が必要であると私は考えています。しかし、この件に関しては、
- 以降で、議論する予定です。