セットアップの待ち時間への影響
- 「ロットサイズのサイクルタイム(TAT)への影響再考」での議論を受けて、セットアップ回数の増加によるキュー時間の増加について検討していきたいと思います。ここでまず思いつくのは、「故障と段取りの考慮」でご紹介した一連の式です。もう一度、掲げますと以下のようになります。
段取り(=セットアップ)の考慮
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- そして、この式を用いてFactory Physicsの法則(処理バッチの構成)が導き出されています。ロットサイズの問題を考慮するには、シリアル・バッチとパラレル・バッチのうち、シリアル・バッチの方を検討すべきだと思います。以下は、「法則(処理バッチの構成)」からの引用です。
- なお、このFactory Physicsの本の中ではバッチという言葉を、シリアル・バッチと、パラレル・バッチの両方の意味に使っています。パラレル・バッチというのは通常のバッチ処理のことで、バッチ・サイズが(最大バッチ数まで)増えても処理時間が変わらないような処理のことです。半導体ファブでいう拡散炉やLPCVD炉での処理はここでいうパラレル・バッチです。一方シリアル・バッチというのは、セットアップ(段取り替え)のある枚葉処理装置の処理のことで、ジョブ(半導体ファブで言えばウェハ)は装置で一度に1つずつ処理されます。この場合のバッチ・サイズというのはセットアップから次のセットアップまでの間のジョブ数(半導体ファブで言えばウェハ数)になります。
- しかし上の式による数学的なモデルはレシピについて考慮していません。多くの半導体製造装置の場合、レシピ(あるいはレシピのファミリー)が変わる時に段取り(セットアップ)が必要なのでした。しかし上記のモデルではセットアップの頻度は入力変数として、外部から与えられることになっています。レシピを考慮したモデルを何とが作れないものでしょうか? しかし、私はロットに(レシピによる)種類があるような待ち行列の理論を知りません。
- 目標はセットアップの回数と時間と、キュー時間の間の関係を求めることです。さらに考えてみます。
議論の継続
- ここでの議論は
- に続きます。そして一応の結論は、以下の記事に書かれています。