セットアップの待ち時間への影響

段取り(=セットアップ)の考慮

  • Whittの近似式
  • ここでセットアップを考慮するには
  • t_e=t_0+\frac{t_s}{N_s}と置く。ただし
    • t_0:装置の平均処理時間。
    • t_s:平均段取り時間。
    • N_s:段取りから次の段取りまでの平均ジョブ
  • c_e^2=\frac{{\sigma}_e^2}{t_e^2}と置く。ただし
    • {\sigma}_e^2={\sigma}_0^2+\frac{{\sigma}_s^2}{N_s}+\frac{N_s-1}{N_s^2}{t_s^2}
    • {\sigma}_0:段取りの影響を除外した、本来の装置処理時間の標準偏差
    • {\sigma}_s:段取り時間の標準偏差

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  • なお、このFactory Physicsの本の中ではバッチという言葉を、シリアル・バッチと、パラレル・バッチの両方の意味に使っています。パラレル・バッチというのは通常のバッチ処理のことで、バッチ・サイズが(最大バッチ数まで)増えても処理時間が変わらないような処理のことです。半導体ファブでいう拡散炉やLPCVD炉での処理はここでいうパラレル・バッチです。一方シリアル・バッチというのは、セットアップ(段取り替え)のある枚葉処理装置の処理のことで、ジョブ(半導体ファブで言えばウェハ)は装置で一度に1つずつ処理されます。この場合のバッチ・サイズというのはセットアップから次のセットアップまでの間のジョブ数(半導体ファブで言えばウェハ数)になります。
  • しかし上の式による数学的なモデルはレシピについて考慮していません。多くの半導体製造装置の場合、レシピ(あるいはレシピのファミリー)が変わる時に段取り(セットアップ)が必要なのでした。しかし上記のモデルではセットアップの頻度は入力変数N_sとして、外部から与えられることになっています。レシピを考慮したモデルを何とが作れないものでしょうか? しかし、私はロットに(レシピによる)種類があるような待ち行列の理論を知りません。
  • 目標はセットアップの回数と時間と、キュー時間CT_qの間の関係を求めることです。さらに考えてみます。