理想的な場合のスループットとサイクルタイムの関係(1工程の場合)

前置き

さてCOMCOMさんから、

  • CAPACITY=出荷数のことです。

とのご返事を頂きました。「出荷数」はスループットと考えてよいですので、スループットサイクルタイムの関係について明らかにせよ、とのご要望だと解釈しました。自分の力量でどこまで出来るかこころもとないのですが、何がしか、発信していこうと考えています。

理想的な場合のスループットとサイクルタイムの関係(1工程の場合)

これから何回にも分けて、このテーマを考えていこうとしております。まずは、非常に簡単な場合から考えを組立てていきます。ラインには1工程しかないとします。そして搬送時間は無視出来るものとします。そして最初に非常に理想的な場合について考えます。例えば、以下の図にあるようなラインを考えます。

ロットは1時間に2ロット、つまり30分に1回かならず到着するとします。一方、装置は1ロット処理するのにかならず20分かかる、とします。つまり、この装置のキャパシティは3ロット/hです。
ロットの到着が等間隔であり、装置の処理時間が一定であるならば、このラインでは、ロットが到着した時にはかならず装置は空いています。それは以下のようなガントチャートを書いてみると明らかです。なお、下図ではひとマスが10分を表わしています。

さて、このようなラインでロットの到着する頻度を変化させると、このラインのスループットサイクルタイムの関係は下のグラフのようになることでしょう。

この装置のキャパシティは3ロット/hですので、このラインでは3ロット/hより上のスループットを出すことが出来ません。また、待ち時間はゼロなのでサイクルタイムは装置での処理時間である20分になります。
スループットが3ロット/hのところでサイクルタイムが垂直に伸びているところの意味は次回に説明します。