理想的な場合のスループットとサイクルタイムの関係(複数台からなるステーション)ではステーションが1つだけのラインを扱いましたが、ここではそれを複数のステーションからなるラインの場合に拡張します。
以下の図にあるような3つのステーションからなるラインを考えます。
このラインの場合、それぞれのステーションのキャパシティを計算すると、上の図に示すように、
- ステーション1:4ロット/h
- ステーション2:3ロット/h
- ステーション3:6ロット/h
となります。よって「ステーション2」がボトルネック・ステーション(つまりキャパシティが一番小さいステーション)になります。それぞれのステーションについて、スループットとサイクルタイムの関係をグラフにすると
のようになります。よって、ライン全体のスループットとサイクルタイムの関係は上記3つのグラフを全て足した以下のグラフになります。
ライン全体のキャパシティはボトルネック・ステーションである「ステーション2」のキャパシティに等しいことに注意して下さい。
半導体のラインのように、同じステーションにロットが何度も訪れるようなラウティングを持つラインの場合は、もはやボトルネック・ステーションのキャパシティがライン全体のキャパシティに等しいとは言えませんが、理想的な場合のスループットとサイクルタイムの関係はロー・プロセス・タイムとキャパシティから決まる2つの直線からなるグラフになります。
議論の継続
ここで少し寄り道をして、ここからFactory Physicsのベストケースのモデルを導き出すことが出来ることを示します。
また、より現実的なスループットとサイクルタイムの関係につきましては
で検討いたします。