Factory Physicsのベストケースのモデルへ - 工場統計力学（建設中！）

理想的な場合のスループットとサイクルタイムの関係で結論として下の図
を示しました。ここで少し寄り道をして、ここからFactory Physicsのベストケースのモデルを導き出すことが出来ることを示します。
上記のグラフをスループットを、サイクルタイムをとして数式で表すと、以下のようになります。
- [tex:TH
  - $T=T_0$
- ならば
  - $T\ge{T_0}$
  - ただし
  - $TH_{max}$ ：ラインのキャパシティ
  - $T_0$ ：ラウティングのロー・プロセスタイム（正味処理時間）の合計
ここでＷＩＰをで表し、リトルの法則、、を適用すると、ＷＩＰとスループットの関係や、ＷＩＰとサイクルタイムの関係を導き出すことが出来ます。
- の場合は、リトルの法則から
  - $w=T*TH=T_0*TH$ 、また、 $TH=\frac{w}{T_0}$
- よって、[tex:TH
  - [tex:T_0*TH
  - [tex:w
- ここでと置くと、
  - [tex:w
- よって、[tex:w
  - $T=T_0$ 、また、 $TH=\frac{w}{T_0}$
- となります。なお、ここに登場した $W_0=T_0*TH_{max}$ は「クリティカルＷＩＰ」と呼ばれています。
- の場合は、リトルの法則から
  - $w=T*TH=T*TH_{max}$ 、また、 $T=\frac{w}{TH_{max}$
- なので
  - $w=T*TH=T*TH_{max}\ge{T_0*TH_{max}}=W_0$
- よって、ならば
  - $T=\frac{w}{TH_{max}$ 、また、 $TH=TH_{max}$
- となります。
以上からＷＩＰとサイクルタイムの関係は
- [tex:w
  - $T=T_0$
- ならば
  - $T=\frac{w}{TH_{max}$
ＷＩＰとスループットの関係は
- [tex:w
  - $TH=\frac{w}{T_0}$
- ならば
  - $TH=TH_{max}$
となることが分かります。以上をグラフに表すと以下のようになります。
これでFactory Physicsのベストケースのモデルを導き出すことが出来ました。