現実的な場合のスループットとサイクルタイムの関係(2)
「現実的な場合のスループットとサイクルタイムの関係(1)」の議論をつづけます。
上図のようなラインにおけるスループットとサイクルタイムの関係を求めるために、個々のステーションにおけるスループットとサイクルタイムの関係を求めようとしているのでした。そしてステーション1についてはすでに求め終わり、今は、ステーション2について求めようとしているのでした。そしてそのためにステーション1におけるロットの出発間隔の変動係数を求めようとしているのでした。ここでつなぎの式
を用います。すると、ステーション1で、そして、あるので、この場合はステーション1の利用率の値にかかわらず、、よってとなります。これがステーション2におけるに等しいのですから、ステーション2ではとなります。ステーション2のが求まりましたので、「現実的な場合のスループットとサイクルタイムの関係(1)」と同様に、式
を用いれば
のようにスループットとサイクルタイムの関係が求まります。これをグラフに示すと、以下のようになります。
次につなぎの式をステーション2に適用すると
また、ステーション2の利用率はと表すことが出来ますので
となります。これがステーション3のになります。今度はスループットの値によってステーション3でのの値が変化することに注意して下さい。ステーション3に、式
を適用して
のようにスループットとサイクルタイムの関係が求まります。これをグラフに示すと、以下のようになります。
上のグラフで、スループットを3ロット/hのところまでしか示さなかったのは、ステーション2で3ロット/hまでしかスループットが大きくなれないためです。
これでステーション1,2,3のスループットとサイクルタイムの関係が求まりました。そこで、これらのサイクルタイムを合計することでライン全体のサイクルタイムを求めることが出来ます。それは以下ののグラフのようになります。
以上の結果をもとに「サイクルタイム短縮のためには」でサイクルタイムを短縮する方法について考えてみます。
-
- また、横道にそれますが、「WIPとスループット、WIPとサイクルタイムのグラフ」では上記のグラフからWIPとサイクルタイム、WIPとスループット、の関係を求めています。