ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(3)

ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(2)」で述べたロット到着の例では、到着間隔が確かに変動していたことを確認します。
もう一度、先のグラフを示します。

この例で実際に到着間隔を計算して、その度数分布グラフを作成すると下のようになりました。

また、この到着間隔の平均、標準偏差変動係数を計算すると以下のようになりました。

ですから変動係数だけを見ますと、この到着の仕方は指数分布に近い程度の変動の程度を示しています。次にロットの待ち時間について調べます。ロットの待ち時間は、ロットの到着時刻と処理開始時刻の差ですから、上の例でそれを実際に計算し、その度数分布グラフを作成すると以下のようになりました。

また、ロットの待ち時間の平均は

  • 平均=36.5分

でした。そして、このステーション利用率は100%です。

もし仮にFactory Physicsで活躍するKingmanの近似式

をこのステーションに適用することが出来るとすると、このステーション利用率は100%なのでu=1となり、ロットの待ち時間CT_qは正の無限大に発散してしまいます。しかし、上の計算ではロットの待ち時間CT_q=35.5分でした。
この食い違いはどこから来るのでしょうか?ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(5)」でさらに検討していきます。