ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(4)

ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(2)」で示した、ロット累積到着数と累積処理開始数のグラフで

でもし、時間0の時のWIPを少なめに設定するとどうなるか、見ておきます。例えば、WIPを2ロットに設定してみます。そうすると下のグラフのようになります。

ある時刻における「到着」と「処理開始」の累計数の差が、その時刻におけるステーションWIPになることに気をつければ、このグラフでは20分の時にWIPが0になり、30分の時からWIPはしばらく負になっていることが分かります。
実際にはWIPが負になることはありえませんので、このグラフは成り立ちません。これは何を意味しているかといいますと、30分の時からステーションが空く(利用率が100%より小さくなる)ということを表しています。実際にはWIPが負になり得ない、という点に注意して上のグラフを修正すると以下のようになります。

最初にロット到着の間隔が伸びてしまったことの影響が最後まで続いていることが、このグラフから分かります。これはロットの到着量がステーションキャパシティに等しいために起きる現象です。つまり「ボトルネックの空き(アイドル)は取戻しがきかない」のです。