ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(6)

ロット到着間隔のWIPへの影響の考察(5)」では、

「累積到着ロット数の「ノルマ」と「現実」の差が、ある一定数を越えない」ならば「到着間隔分布が互いに独立な同一確率分布」ではない

という結論を導きました。ここでは、Kingmanの近似式

は「到着間隔分布が互いに独立な同一確率分布である」という仮定に基づいている、ということを明らかにしたいのですが、残念ならが私はKingmanの近似式の導出方法を知りません。そのため、Kingmanの近似式が「到着間隔分布が互いに独立な同一確率分布である」という仮定に基づいているかどうか確かめることが出来ません。しかし、到着分布を表すパラメータとして到着間隔の変動係数c_aしか式に現れないところから、おそらく「到着間隔分布が互いに独立な同一確率分布である」という仮定に基づいている、と推測出来ます。
もうひとつ傍証になるのは、M/G/1の時の式(近似式ではない)

  • CT_q=\left(\frac{1+c_e^2}{2}\right)\frac{u}{1-u}t_e

は、Kingmanの近似式c_a=1と置いた特別な場合になっていますが、この式の対象になる待ち行列では、到着間隔分布がM、すなわち指数分布ですから、当然「到着間隔分布が互いに独立な同一確率分布である」ことになります。
以上2つの傍証から、Kingmanの近似式は「到着間隔分布が互いに独立な同一確率分布である」という仮定に基づいている、という可能性が高いと思われます。
今の私の力で判るのはここまでです。
今までの考察を「Factory Physicsの観点からTOCのDBRを理論付け出来たか?」にまとめます。