「ザ・ゴール」に登場するジョナが研究している「科学」
ゴールドラットの「ザ・ゴール」
- 作者: エリヤフ・ゴールドラット,三本木亮
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2001/05/18
- メディア: ペーパーバック
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「本当のことを言ったらどうだい。在庫は、ずいぶん増えたんじゃないのかね」
私はジョナの顔を見た。どうして、そんなことがわかるのだろう。
「仕掛りのことですか・・・・」
「仕掛りだけじゃない、在庫全部のことだよ」彼が言った。
「それは、部署によります。増えた部署も確かにありますが」
「で、すべてがいつも遅れている。予定どおりには何も出荷できない。そうじゃないのかね」
「納期に遅れることが多いのは確かです。最近、顧客との間でずいぶんトラブルになっていますから」
ジョナは、まるで予言したとおりとばかりに、うなずいた。
「でも、ちょっと待ってください。どうしてそんなことがわかるのですか」私はジョナに訊いた。
彼は、また微笑んだ。
「ただの勘だよ。それに、メーカーにはよくあることだからね。君の工場だけじゃない」
「でも、あなたは物理の先生じゃないですか」
「私は科学者だよ。いまは組織の科学について研究しているとでも言っておこうか。特にメーカーの組織についてね」
「そんな科学があるのですか」
「いま、作ったんだよ」
ジョナは組織の科学と言っています。原語でなんと書いてあったのか、知りたいところです。この科学の中心的概念は何でしょうか? 私は次に引用する内容がこの中心的概念であると思っています。
「どの工場にも二つの現象があって、その組み合わせによるんだ。一つは、『従属事象』と呼ばれる。(中略)一つの事象、あるいは一連の事象が怒るためにはその前に別の事象が起こらなければならないという意味だ。(中略)この従属事象ともう一つの現象、『統計的変動』と呼ばれるんだが、この二つの組み合わせが重要なんだ。・・・」
「従属現象」と「統計的変動」の組み合わせ。
「従属現象」と「統計的変動」の組み合わせからなるシステムの挙動を予測することと制御すること。
これが私にとっても今後のテーマのひとつになりそうです。ひるがえって考えてみるとFactory Physicsには、「従属現象」、つまり、前工程が終わらないと次工程が始まらないということ、に関する考察が弱い、と思います。