CETが確率的に2値をとる場合のロードポートネック(1)

搬送時間が変動する場合のロードポートネック」での議論を引き継いで、CETが確率的に変動する場合で、その実現値のいくつかが

  • CETの実現値>(LP-1)t_e

になるような例について、その実現値の確率がロードポートネックによる装置キャパシティの低下にどのように影響を与えるか調べたいと思います。
本当ならば下図のような、CETの値の連続的な確率分布を考えて(それをp(CET)で表し)その確率密度関数と、装置の実効キャパシティ低下の関係を求めたいのですが、それは今の私の力では出来ません。

そこで問題をごく簡単にして調べたいと思います。LP=2とします。そしてCET(LP-1)t_eLP=2なので、これはt_eに等しい)より大きな値t_e+Dと小さな値t_e-E(ただし、D>0E>0)の2つの値をとるものとします。そしてCETの値がt_e+Dになる確率がpt_e-Eになる確率が1-pであるとします。
最初にCETの値がt_e+Dになるとすると、下図のようになります。

  • 図1

次のロットの処理開始は、前のロットの処理終了からDだけ遅れることになり、装置は時間Dだけ空くことになります。(すなわちロードポートネックです。) 次にCETt_e+Dになるとすると

  • 図2

となります。今度は、次のロットの処理開始は前のロットの処理終了直後に行われることが分かります。では、図1の状態で次のCETt_e-Eになったとすると、

  • 図3

となります。この場合もやはり次のロットの処理開始は前のロットの処理終了直後に行われることが分かります。では一番最初にCETの値がt_e-Eになったとすると

  • 図4

となるので、次のロットの処理開始は前のロットの処理終了直後に行われることが分かります。
CETが確率的に2値をとる場合のロードポートネック(2)」に続きます。