錬金術 セルジュ・ユタン
- 作者: セルジュ・ユタン,有田忠郎
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1972/12/05
- メディア: 新書
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著者の本書を執筆する姿勢は、「訳者あとがき」にある次の記述から察することが出来ると思います。
著者セルジュ・ユタンは1929年パリに生まれ、ソルボンヌで哲学を専攻したのち、各種神秘学関係の研究に没頭してきた。(中略)
「神秘を否定するよりは研究するほうがいいのではあるまいか」と著者は自分の経歴書の中でひかえめに語っている。本書も、錬金術の歴史と理論と実際をめぐる客観的な概説書であり、その文章の調子はできるだけ押さえられているように見受けられる。だが、少年時代から謎に驚き不思議を愛したという著者の心情は、慎重で行き届いた記述の仕方そのものの中に読み取れるであろう。
私はこれを書きながら、ともすれば、冷静さを捨てて、連想のおもむくままに書きたい気持ちが沸いてきます。エジプト神話のオシリスとイシスのこと、ヘルメス文書の1つ「ポイマンドレース」の伝える世界創造神話、ユングの「心理学と錬金術」に概要が示されていた錬金術神話「タブリティウスとベア」のこと、クリスチャン・ローゼンクロイツの「化学の結婚」のこと・・・・。
ここでは、ひとつだけ書きます。