薔薇十字からITへ

怪物の解剖学 種村季弘

怪物の解剖学 (河出文庫)作者: 種村季弘出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1987/02メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ (8件) を見る これは私が随分お世話になった本だが、今の世間では忘れ去られた本になっているようだ。確か…

神とゴーレム(株)(God and Golem, Inc.)―――ゴーレム伝説についての補足

ゴーレム伝説について、かなり古い記述(1973年)ですが、ドイツ文学者の種村季弘氏の「ゴーレムの秘密」でなされた説明を引用します。 「怪物の解剖学」種村季弘著 河出文庫(1987年) 所収の「ゴーレムの秘密」(初出は「ユリイカ」1973年1月号)より 怪物の…

薔薇十字団について何かをほのめかすようにして隠す

そこでさっそく招待状を見せると相手は満足しただけではなく、驚いたことに、絶大な敬意を示してこう言った。 「同志よ、ずっとお通り下さい。あなたさまは、お待ち申していた私どもの客人です。」ついでに、よろしければお名前をお聞かせ下されますまいかと…

ヴァネヴァー・ブッシュだって?

今月は月始めに宣言したように基本的には「待ち行列理論」以外のことは書かないつもりでしましたが、どうしてもその原則をやぶってしまうことが数回ありました。今回もやぶらざるを得ません。こういうことは記録しておかなければ、という思いです。 「われわ…

ヨハン・ヴァレンティン・アンドレーエ

「グーグルは薔薇十字っぽい」でコメニウスについて薔薇十字団の関係から紹介したことが自分の中で尾を引いています。そこで薔薇十字団員と目された他の人々についても紹介したくなりました。もちろん私自身、薔薇十字団は実在しなかった、と考えています。…

グーグルは薔薇十字っぽい

梅田望夫氏の「【第五回】 「普通であること」に埋没しない個を」に出てくるこのような記述 つまり、彼らのやろうとしていることは「革命」なんです。「情報というものをすべての人たちがもつことによって、世界がよくなる」ということを信じている。それは…

エリザベス1世(07/02/16から移動)

エリザベス一世 (講談社現代新書)作者: 青木道彦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2000/01/20メディア: 新書購入: 2人 クリック: 30回この商品を含むブログ (10件) を見るフランセス・イェーツの「薔薇十字の覚醒」薔薇十字の覚醒―隠されたヨーロッパ精神史作…

錬金術 セルジュ・ユタン

錬金術 (文庫クセジュ)作者: セルジュ・ユタン,有田忠郎出版社/メーカー: 白水社発売日: 1972/12/05メディア: 新書 クリック: 2回この商品を含むブログ (8件) を見る「錬金術」という言葉は随分古くから私の精神につきまとっていた言葉です。最初は高校生の…

デカルトの夢

デカルトの夢、として有名なデカルトの見たあやしげな3つの夢のことを紹介します。この夢の詳しい記述は伝記作者バイエの「デカルト殿の生涯」に出てくるそうですが、私には原典を読む能力がありません。また、この夢の詳しい内容は田中仁彦氏の「デカルト…

ライプニッツと薔薇十字

フランセス・イエイツの「薔薇十字の覚醒」薔薇十字の覚醒―隠されたヨーロッパ精神史作者: フランセス・イエイツ,山下知夫出版社/メーカー: 工作舎発売日: 1986/07/01メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (9件) を見るには、ライプニッツと…

ただの妄想だけど・・・・

ただの妄想なのですが、Googleにとっての三十年戦争は、同時多発テロ以降のこの一連の戦争なのだろうか、という思いがしたので、書いておきます。三上のブログの、三上さんの新年度の講義が始まることを知らせる情報文化論 2007 第1回 情報文化論とは何か:…

薔薇十字団(つづき)

これは30日の「薔薇十字団」のつづきです。薔薇十字団 (文庫クセジュ)作者: ロランエディゴフェル,田中義広出版社/メーカー: 白水社発売日: 1991/10/01メディア: 新書 クリック: 6回この商品を含むブログ (4件) を見るこの本にはフランセス・イエイツの説…

サイバネティクス誕生時のペシミズム

30日の「薔薇十字団」で薔薇十字団をウィーナーのサイバネティクスに結び付けてしまいましたが、それには、なによりも「よみがえるウィーナー」で書いたような科学者の結社というイメージが私の中で作用していたためです。そしてウィーナー自身が「サイバ…

薔薇十字団

薔薇十字団 (文庫クセジュ)作者: ロランエディゴフェル,田中義広出版社/メーカー: 白水社発売日: 1991/10/01メディア: 新書 クリック: 6回この商品を含むブログ (4件) を見るこの本は真面目に薔薇十字団のことを調査するにはとてもよい本です。薔薇十字団と…

デカルト

デカルト (岩波新書)作者: 野田又夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1966/07/20メディア: 新書 クリック: 10回この商品を含むブログ (5件) を見る小さな本であり、古い本(1966年初版)でありながら要所を押さえたデカルトについての解説書です。 私は…

戦うハプスブルク家

戦うハプスブルク家 (講談社現代新書)作者: 菊池良生出版社/メーカー: 講談社発売日: 1995/12/15メディア: 新書購入: 4人 クリック: 44回この商品を含むブログ (12件) を見るこれは17世紀前半ドイツを舞台に戦われた三十年戦争の歴史ですが、同時に、神聖…

よみがえるウィーナー

少し前のことであるがid:elmikaminoさんの初夢を読んで思い出した文章がある。それを紹介したい。それは人間機械論―人間の人間的な利用作者: ノーバート・ウィーナー,鎮目恭夫,池原止戈夫出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1979/10メディア: 単行本この商…