今の時点での生産システムの諸法則
これは「「ザ・ゴール」から抽出した法則(蒸留済み)」を受けての「今の時点での生産システムの諸法則」の改訂版です。
生産システムの諸法則(07/10/26改訂版)
- 法則(ベストケースのパフォーマンス):
- 与えられた仕掛数における最小サイクルタイムは以下で与えられる。
- ならば
- さもなければ
- 正味処理時間(ロー・プロセスタイム)の合計
- 工場キャパシティ 。ここではボトルネック・ステーションのキャパシティ、はラウティングがボトルネック・ステーションを訪れる回数
- クリティカルWIP量。
- 与えられた仕掛数における最大スループットは以下で与えられる。
- ならば
- さもなければ
- 与えられた仕掛数における最小サイクルタイムは以下で与えられる。
- 法則(変動):
- 変動の増加は常に製造システムのパフォーマンスを悪化させる。
- 法則(変動の集約):
- 変動の発生源を複数集めることによって、変動の悪影響を小さくすることが出来る。
- 系(バッファの柔軟性):
- 柔軟性は、製造システムで必要な、変動のためのバッファの量を減らす。
- 法則(材料の保存):
- 安定した状態のシステムでは、長期の稼動に渡っては、システムから出るレートは、
- (システムに入るレート)−(歩留ロス)+(システム内でのパーツ製造)
- に等しい。
- 安定した状態のシステムでは、長期の稼動に渡っては、システムから出るレートは、
- 法則(ボトルネックの存在):
- 工場には、そのキャパシティを決定するボトルネック・ステーションが通常1つ、存在する。
- 法則(バランスのとれた工場):
- ボトルネック・ステーションが多数存在する工場は不安定な工場である。
- 法則(ボトルネックの重要性):
- ボトルネック・ステーションが一時間遊ぶ(処理を行わない)ことは、工場全体が一時間遊ぶことに等しい。
- 法則(非ボトルネックのセットアップ回数):
- 非ボトルネック・ステーションの利用率が充分低ければセットアップ回数を増加させても工場のキャパシティを悪化させない。
- 法則(個人的利益):
- 組織ではなく人々が自己最適化する性質を持つ。
- 法則(個性):
- 人はさまざま
- 法則(擁護):
- ほとんど全てのプログラムにおいて、それを動かすことが出来る擁護者が存在する。少なくともしばらくの間は。
- 法則(燃え尽き):
- 人は燃え尽きる。
- 法則(責任):
- 相応した権限のない責任は、やる気を失わせ逆効果である。
半導体ファブ特有の法則
コメント
「搬送時間ありG/G/mのサイクルタイム定理」を「近似としてなら」述べることが出来るかもしれません。