- 作者: 菊池良生
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/08/10
- メディア: 新書
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ハプスブルクを作った男ルドルフ(建設公)は、本書の表紙に書かれた文言で
と紹介されているように、1358年19歳でオーストリア公となったルドルフは7年後の1365年25歳で生涯を閉じます。しかしその間にルドルフは、オーストリア領内に絶対主義的政策を推し進め、ウィーンにシュテファン大聖堂とウィーン大学を建設し、チロル領を横取りし、偽書を作成して自家の特権を捏造し、のちのハプスブルク家が実現したようなボヘミア、ハンガリーとの同君連合を画策します。何か信長を思わせるものがあります。
この本で初めて知った事実がいっぱいあります。例えばこの時代の少し前まではブランデンブルク辺境伯領はヴィッテルスバッハ家の領土だったこと、それをカール4世が買い取り、後の時代にホーエンツォレルン家に与えられること、などです。ただ私はどうしてもルクセンブルク家のカール4世のほうに目がいってしまうのです。日本での「ハプスブルク家もの」の人気に比べてルクセンブルク家は不当に軽視されているような気がします。