半導体前工程工場(ファブ)の挙動をモデル化し、それを工場の生産性向上に役立てないか考えている私ですが、その一環として待ち行列理論を勉強しています。
私のような初学者がいつも疑問に思っていながら、待ち行列理論の本にはっきり書いていないと思われることが1つあることに、最近、気づきました。それは、
ということです。
これを最初に言っておかないと、「応用を目的として」待ち行列理論を学ぶ人(私もそのひとり)は、待ち行列理論に過度の期待をしてしまうのではないかと思います。
では次善の目標として
という目標と
- 2)では正確に平均待ち時間が分かるのはどのような場合であるのか知りたい
という目標が生まれます。
1)については、私はFactory Physicsに出会うまで近似式に出会ったことがありませんでした。(これについては下記「GI/G/m」の項をを参照下さい。) 最近、「ORWiki」にも「待ち行列における近似」の箇所に近似式らしきものが書かれているのを知りました。
2)については、
- M/G/1の場合 と、
- M/M/mの場合が
には平均待ち時間を求める正確な式が存在することを勉強しました。先ほどあげた「待ち行列における近似」によれば
- M/G/m
についてすら正確な式は知られていない、ということです。
待ち時間の式
- GI/G/m:近似式
-
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- :キューでの待ち時間
- :ジョブの到着間隔の変動係数。(変動係数とは、標準偏差/平均 のこと)
- :装置処理時間の変動係数
- :M/M/mにおけるキューでの待ち時間
- :装置台数
- 導出方法についてのメモ
-
- M/G/m:近似式(リー・ロントンの近似式)
- M/G/1:正確な式
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- :装置の利用率
- :装置の平均処理時間
- 導出方法についてのメモ
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- M/M/m:正確な式
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- ここにはm台の装置が全て空いている確率を表し、
-
- M/M/1:正確な式
- M/D/1:正確な式
- D/M/1:正確な式
-
- ただしは
- を満足するである解
- 導出方法についてのメモ
-