ロードポートネックによるキャパシティ悪化の近似式のLP=3への拡張(1)
「ロードポートネックによるキャパシティ悪化の近似式」での議論はロードポート数が2の時に限定されていました。それをロードポート数が3の場合に拡張します。
まず、「CETが確率的に2値をとる場合のロードポートネック(1)」「CETが確率的に2値をとる場合のロードポートネック(2)」での議論をの場合に拡張します。以下のように考えれば、の場合に拡張出来ることがわかりました。ガントチャートを書いていきます。まずは、1ロット目の処理時間です。
この1ロット目のキャリア交換時間をこのあとにすぐに書き足すのは今はひかえて、次に2ロット目の処理時間をガントチャートに書き足します。ここで、1ロット目の処理終了後すぐに2ロット目の処理開始がなされる、と仮定しています。1ロット目の処理終了と2ロット目の処理開始の間に時間がある場合については、のちに検討します。
ここでもを書き足すのはひかえて、3ロット目の処理をガントチャートに書き足します。ここでも2ロット目の処理終了時間と3ロット目の処理開始時間は一致している、と仮定します。
この状況を(連続、連続)と表すことにします。つまり、前のロットの処理終了時刻と次のロットの処理開始時刻の間に経過時間が存在しない場合を「CETが確率的に2値をとる場合のロードポートネック(2)」と同様に連続と呼び、前のロットの処理終了時刻と次のロットの処理開始時刻の間に経過時間が存在する場合を中断と呼ぶことにします。の場合の議論と異なるところは、直前の「連続/中断」だけに注目するのではなく、直前とそのもう一つ前のところの両方の「連続/中断」に注目する点です。「CETが確率的に2値をとる場合のロードポートネック(1)」と同様は、より小さい値(これを短と呼ぶことにします)とより大きな値(これを長と呼ぶことにします)の2つの値だけと取り得るとします。
そうすると、(連続、連続)の状況で最初のロットのが短である場合は、
となります。よって、次のロットの処理を加えると以下のようになります。
この新しいロットの処理開始も前のロットの処理終了と時刻が一致しているので「連続」になります。この一つ前の処理終了/開始が「連続」でしたので、この状況を以下のように表します。
- (連続、連続)+短→(連続、連続)
次に、(連続、連続)の状況で最初のロットのが長である場合は、
となります。よって、次のロットの処理を加えると以下のようになります。
今度は、新しいロットの処理開始が前のロットの処理終了の少しあとになりますので「中断」です。この一つ前の処理終了/開始が「連続」でしたので、この状況を以下のように表します。
- (連続、連続)+長→(連続、中断)
では、この(連続、中断)の状況で次のが短であったら、次はどうなるでしょうか?
となって
となります。つまり
- (連続、中断)+短→(中断、連続)
です。ではが短の代わりに長であったらどうなるでしょうか?
となって
となります。つまり
- (連続、中断)+長→(中断、連続)
です、(連続、中断)の場合は短が来ても長が来ても次は(中断、連続)になるわけです。さらに、(中断、連続)で短がくると
となって
となります。つまり
- (中断、連続)+短→(連続、連続)
です。ではが短の代わりに長であったらどうなるでしょうか?
となって
となります。つまり
- (中断、連続)+長→(連続、連続)
です、(中断、連続)の場合も短が来ても長が来ても次は(連続、連続)になるわけです。
「ロードポートネックによるキャパシティ悪化の近似式のLP=3への拡張(2)」に続きます。