自省録

自省録 (岩波文庫)

自省録 (岩波文庫)

ブッダの言葉」の次はローマ皇帝マルクス・アウレーリウスの自省録でした。これは、たまに読んでいます。これも倫理的に高くてついていけないところがありますが、それでも帝国の元首の言葉です。そして50歳を越えてからの言葉です。軽んずるわけにはいきません。誰に向かって書いたのでもなく、ただ自分の心だけに向かって書いたそうです。
第1章の最後で「・・・・なぜなら以上のことは皆必ず神々と運命の助けによるからである。」と記されている次に

グラン河畔のクヮディ人たちの間にて記す

と書かれてあるのを読んだ時、

  • 突然私はここで、
    • この皇帝が国境にいて、
      • ゲルマン人の侵入を防ぐための戦いを指揮していた
        • ことに思い至るのです。

彼は思索だけの人ではなく、広大な帝国の最高責任者であり、実務の人、それも激務の人なのでした。この本の裏には騎馬の音、歩兵の行進の音、杭を打つ槌の音があります。私は、この本の世界(彼の哲学、人生訓)ではなく、その世界の背景に浸りたいと思ってマルクス・アウレーリウスの「自省録」に登場する人名というエントリーを作りました。自省録を読みながら、登場する人物を追加しているところです。