もう少し複雑な待ち行列ネットワークの解析(2)
先行エントリ:もう少し複雑な待ち行列ネットワークの解析(1)
次に、装置1とその前にロットが個、装置2とその前にロットが個、装置3とその前にロットが個、装置4とその前にロットが個、存在する状態をで表し、その定常確率をで表すことにします。今回は、以下の図で各状態へ入る流量(=遷移確率)と出る流量が等しいとします。
上図から数式を作ると、平衡状態が成り立つための式は
- ・・・・・・(12)
- ・・・・・・(13)
- ・・・・・・(14)
- ・・・・・・(15)
- ・・・・・・(16)
ここで式(8)〜(11)を以下のように変形してみましょう。
- ・・・・・・(17)
- ・・・・・・(18)
- ・・・・・・(19)
- ・・・・・・(20)
そして、これらを式(12)〜(16)に代入すると、以下のようになります。
- ・・・・・・(21)
- ・・・・・・(22)
- ・・・・・・(23)
- ・・・・・・(24)
- ・・・・・・(25)
これは流量の式と形が対応しています。式(21)は式(3)に、式(22)は式(2)に、式(23)と(24)は式(1)に対応しています。つまり、式(1)(2)(3)で
- →
- →
- →
- →
- →
と置き換えると、式(21)(22)(23)になります。なお式(25)は式(21)(22)(23)から導くことが出来ます。式(1)(2)(3)を解くと式(4)〜(7)になったので、同じ形の式(21)〜(23)から式(4)〜(7)に対応する式が導かれるはずです。式(4)〜(7)に上記の対応を当てはめると以下の式になります。
これらに式(4)〜(7)を代入すると
よって
よって
- ・・・・・・(26)
- ・・・・・・(27)
- ・・・・・・(28)
- ・・・・・・(29)
式(26)〜(29)から積形式解
を導くことが出来るのは(今までの議論と同様に考えれば)明らかでしょう。