「クラス」というのはこういうことなのかな?

先行エントリ:M/n一般ネットワークの場合の積形式の証明(2)


M/n一般ネットワークの場合の積形式の証明(2)」でジャクソンネットワークにおける積形式解の存在証明が出来ましたが、半導体ファブをジャクソンネットワークでモデル化しようとするのを躊躇する事柄が、まだあります。

  1. 装置の処理時間分布がポアソン分布である。
  2. ロットがステーションで処理後に次の行先を確率的に選んでいる。

1については、後ほど取り上げることにします。(分解近似法がこの困難を解決してくれるのではないかと期待しています。)2についてもう少し説明します。
もう少し複雑な待ち行列ネットワークの解析(1)」で

  • 図1

の図を出しましたが、本当は図2

  • 図2

のようなネットワークを解析したいのでした。それは、半導体ファブのプロセス・フロー(Factory Physicsの言葉で言えばラウティング)は、図2のように同じステーションを何回も通過するのですが、次のステーション確率的に選ばれるのではなくて確定的に選ばれるからです。例えば図2の例で言えば1回目は装置3に進み、2回目は装置4に進み、3回目はシステムの外に出る、ということです。そうすると図2でいう装置2に何回目に来たロットであるか、ということがクラスというものになるのかな、と想像しました。
ORWikiの「確率的経路選択」や「ケーリーネットワーク」にそれらしきことが書かれていました。もしそうだとすると、装置2で処理するロットを選択する際、クラスはどのように考慮されるのだろう、と疑問になりました。
これは私の今後の宿題です。