春になったから
何で上のようなことを書いたのか、と、自らをかえりみて思いついたのは「春になったから」ということ。デーメーテールは大地の実りを司る女神だから、と。
・・・黒雲まとうクロノスの御子ゼウスと、あまりに際限なく事を構えてはなりません。人間たちの暮らしを支える実りを、直ちに生え出させなさい。」
こう言うと、見事な冠のデーメーテールはそれに従い、直ちに肥沃な畑から実りを萌え出させた。
広い大地には葉と花が一面に咲きほこった。すると女神は法の守り手たる王たちのところへ行って・・・・
四つのギリシャ神話―『ホメーロス讃歌』より (1985年) (岩波文庫)
- 作者: ホメーロス,逸身喜一郎,片山英男
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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ここから記憶の糸が昨年の今頃、書いた『ミュケーナイ文書の中の「迷宮の女神」』で引用した以下の文章にもつながる。
古典時代のギリシア人がポトニアイ(ポトニアの複数形)の名で思い浮かべたのは、デーメーテールと、その娘であり、冥界の女王となったペルセポネーであった。これはとりもなおさず、ギリシア先住民族の地母神崇拝が形を変えて古典時代まで受け継がれたことを示している。
「ミュケーナイ世界」J.チャドウィック より
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そう言えば昨夜は東京駅のまわりの地下街を徘徊し、最後にOAZOの丸善に入ったのだった。あれは迷宮めぐりだったのだとすれば、迷宮の女神につながる。