直列のジャクソン・ネットワークのX-Factorの例

先行エントリ:直列のジャクソン・ネットワークでX-Factorが一番大きい構成


直列のジャクソン・ネットワークのX-Factoerの例をグラフで示します。構成としては2つのケースを考えました。

  • ケース1
  • ケース2

ケース1は2つのステーションからなるラインです。最初のステーションは1台の装置からなり、2番目のステーションは2台の装置からなります。最初のステーションでのロットの処理時間は20分、2番目のステーションでのロットの処理時間は90分とします。2番目のステーションは装置を3台持つので、ステーション全体で見ると30分に1ロットの割合で処理を完了することが出来ます。一方、最初のステーションを全体で見ると20分に1ロットの割合で処理を完了することが出来ますから、ボトルネック・ステーションは2番目のステーションです。


ケース2は3つのステーションからなるラインです。ステーション内の装置台数は最初から順に、2台、2台、1台です。また、ロットの処理時間はそれぞれ40分、60分、25分です。ステーション全体で見た時のロット処理の最大スピードですが、最初のステーションから順に、20分/ロット、30分/ロット、25分/ロット、となります。よってボトルネック・ステーションは2番目のステーションです。

この2つのケースがジャクソン・ネットワークであるとして、「ジャクソン・ネットワークのサイクルタイム(1)」の式(6)を用いてサイクルタイムを計算し、そこからX-Factoerを計算しました。それをボトルネック・ステーション利用率をX軸にとってグラフ化しました。

  • ケース1
  • ケース2

グラフの青線がラインのX-Factorを表します。グラフにM/M/1の場合のX-Factorを赤線で参考までに追加しました。
直列のジャクソン・ネットワークでX-Factorが一番大きい構成」で述べたように通常の直列ジャクソン・ネットワークのX-FactoerはM/M/1のX-Factoerより大きくなることはありません。