PASTA(3)

PASTA(2)」の続きです。
さて、もう一度、1からNまでのw_iについて考えます。この中で
w_iの値が0であるようなw_iの個数をN_0
w_iの値が1であるようなw_iの個数をN_1
w_iの値が2であるようなw_iの個数をN_2
・・・・・
で表すとします。そうすると

  • N=\Bigsum_{i=0}^\infty{N_i}

になります。ここで

  • p(w,k,N)=\frac{N_k}{N}

を考えます。ここでN\rightar\inftyにした場合のp(w,k,N)はある極限に収束しそうです。これをp(w,k)で表すことにします。すなわち

  • p(w,k)=\lim_{N\rightar\infty}\frac{N_k}{N}・・・・・・(2)

です。このp(w,k)は何かの確率を表しているように直感的に感じますが、いったい何の確率を表しているでしょうか? これはジョブが到着した時に(そのジョブを含めない)WIPkである確率を表していると考えるのが自然でしょう。(このあたりエルゴード性のことを言っているのですが、私の理解がまだ足りないために、あやふやな記述になってしまっています。) しかも、考えている待ち行列は定常状態にあると仮定していますから、任意のkにおけるW_kについてこの確率が当てはまると考えられます。ここで元々W(t)の中のある実現値関数であるw(t)の[tex:0

  • P(A|B)
    • (Bが起きた場合のAの確率)

を用いて書くと、上記の確率は

  • [tex:P(W(t)=k|A(s);t

と表されます。ただしA(s)は時刻sジョブが到着したというイベントを表すものとします。よって

  • [tex:p(w,k)=P(W(t)=k|A(s);t

と書くことが出来ます。
PASTA(4)」に続きます。