PASTA(4)

PASTA(3)」の続きです。条件確率の定義式

  • P(A|B)=\frac{P(A,B)}{P(B)}
    • ただしP(A,B)は「AかつB」の確率を表すとします。

から、

  • [tex:P(W(t)=k|A(s);t

ところが到着は「ポアソン分布」なので、tよりのちの到着の確率はtより以前の確率と「独立」です。よって

  • [tex:P(W(t)=k,A(s);t

よって

  • [tex:\frac{P(W(t)=k,A(s);t

よって、式(4)から

  • [tex:P(W(t)=k|A(s);t

この式と式(3)から

  • p(w,k)=P(W(t)=k)

となります。さらにこの式と式(2)から

  • \lim_{N\rightar\infty}\frac{N_k}{N}=P(W(t)=k)・・・・・・(5)


ここでもう一度、実現値関数w(t)を考えます。そして0{\le}t{\le}Tの範囲を考えます。この範囲の時間の長さはTです。この範囲内でw(t)=kであるようなtの長さの合計値をT_kで表すことにします。そして

  • q(w,k,T)=\frac{T_k}{T}

を考え、さらにT\rightar\inftyにした時のq(w,k,T)の極限を考え、これをq(w,k)で表します。すなわち、

  • q(w,k)=\lim_{T\rightar\infty}\frac{T_k}{T}

今、定常状態の待ち行列を考えていますから、これは任意の時刻tにおいて、W(t)=kである確率を表していると考えられます。(再び、エルゴード性を用いました。)よって

  • P(W(t)=k)=\lim_{T\rightar\infty}\frac{T_k}{T}

この式と式(5)から

  • \lim_{N\rightar\infty}\frac{N_k}{N}=\lim_{T\rightar\infty}\frac{T_k}{T}・・・・・・(6)

となります。
PASTA(5)」に続きます。