ベルク ピアノソナタ 第1番

私はクラシックが好きですが、誰の指揮がよいとか、誰の演奏がよいとか、そういうことが分かりません。ただ、いくつかの曲が本当に好きです。
今日はいきなりという感もありますが、ベルクのピアノソナタ 第1番です。私がドビュッシーに出会った(ラジカセでカセットテープに録音した)中学生のその日にベルクのピアノソナタにも出会いました。ピアノを弾いていたのは確か「ナイトウ・ジュンコ」という人で、NHKのラジオでだったか、ドビュッシーの映像第1集とベルクのピアノソナタ第1番を弾いていたのでした。
中学生だった私は圧倒的にドビュッシーに惹かれたのですが、ベルクの曲はその当時とその後に抱いていた思春期のありがちな孤独感にマッチしていて、激しい北方ロマティズムをのちのち自分の人生の中で反芻することになるのでした。
50に近くなった今の私にとってもこの曲は、生活の全てをそぎ落としたところで確認する孤独な、しかし「確かに自分のものである」激情とつかの間の休止に現れる叙情のようなものです。
昨晩は出張中でしたのでホテルで久しぶりにこの曲に浸りました。