まずったか?

今年の2月から

Manufacturing Systems Engineering

Manufacturing Systems Engineering

を少しずつ読んでいるのですが、90ページまで(「第3章 トランスファ・ライン」の途中まで)読んできて気づいたことがあります。どうもこの本で取り扱う生産システムは、ステーションに1台しか装置が存在しないものだけを扱っているようです。「第6章 FMSのジャクソン・ネットワーク・モデル」だけはそうではありませんが、この章はとても短く、どうも目新しいことは書いていなさそうです。
装置が1台だけのステーションというのは、私が関心を持つ半導体前工程工場(いわゆる「ファブ」)では通常登場しない構成です。もし、この本で扱う理論が装置が1台だけの、しかもその装置の処理時間は指数分布であるステーションから成るラインにしか適用出来ないのであれば、この本を読む価値を私はあまり感じないのです。それで、この本をこれ以上読むかどうか、迷っています。
やはり、一般的な(行列長さが有限の)待ち行列ネットワークというのは攻略が難しいのでしょうね。この第3章で、直列に並んだ2つの装置と有限のバッファからなる非常に簡単な構成のライン

を解析するのに、かなり大変な計算を行っている記述を見て、「大山鳴動して鼠一匹」のような気持ちになりました。
本の選択をまずったか? この本に記述されている理論にどの程度の汎用性があるのだろうか? それとも私塾(?)を目指すなら最後まで喰っておくべきか? 他の人にこの本の味を、それがうまかろうがまずかろうが、その味を伝えることが出来るように。