ダイナミック・ジョブ・ショップ(5)

ダイナミック・ジョブ・ショップ(4)」の続きです。

確率的ラウティングを持つ1クラスGI/G/m開放型ネットワーク・システム

各ステーションim台の同一装置があるより一般的なケース

  • j=1,...,nについて、
    • C_{a_j}^2=\alpha_j+\Bigsum_{i=1}^nC_{a_j}^2\beta_{ij}
  • ただし
    • \alpha_j=1+w_j\left\{(p_{0j}C_{a_{0j}^2}-1)+\Bigsum_{i=1}^np_{ij}[(1-q_{ij})+q_{ij}\rho_i^2x_i]\right\}
    • \beta_{ij}=w_jp_{ij}q_{ij}(1-\rho_i^2)
    • w_j=\frac{1}{1+4(1-\rho_j)^2(x_j-1)}
    • q_{ij}=\frac{\lambda_i}{\lambda_j}p_{ij}\left(q_{ij}=\frac{\lambda_{ij}}{\lambda_j},p_{ij}=\frac{\lambda_{ij}}{\lambda_{i}\right)
    • x_i=1+\frac{(max\{C_{S_i}^2,0.2\}-1)}{\sqrt{m_i}}
  • 次に期待待ち時間の近似はGI/G/1の場合に類似している。
  • E(W_j)=\frac{(C_{a_j}^2+C_{S_j}^2)}{2}E(W_j(M/M/m_j))

対称的ジョブ・ショップ

マシンセンターiを出て行くジョブが任意の他のマシンに次に行くのが等しい確からしさである。

  • p_{ij}=1/m,j{\ne}ip_{i0}=1/m(システムから出て行く)

するとi=1,...,m\lambda_i=\lambda

  • m\rightar\inftyC_{a_i}^2\rightar{1}

よって個々のマシンセンターをM/G/1と近似することが出来る。
次に

  • \hat{W}(\lambda_i,\mu_i,C_{a_i}^2,C_{S_i}^2)

は、M/G/1待ち行列での平均待ち時間

  • E[W_i]=\frac{\lambda{E[S_i^2]}}{2(1-\rho_i)}=\frac{\rho_i^2(1+C_{S_i}^2)}{[2\lambda_i(1-\rho_i)]}

で置き換えることが出来る。

  • 表7.1
    • 2マシンセンター対称的ジョブ・ショップでの平均フロー時間
  • 表7.2
    • 4マシンセンター対称的ジョブ・ショップでの平均フロー時間

一様フロー・ジョブ・ショップ

全てのジョブがマシンセンターの同じシーケンスを訪れる。よって

  • \lambda_i=\lambdai=1,...,m,
  • しかし
    • C_{a_i}^2
  • mによって影響されない。

この場合、M/G/1は悪い近似であるが、GI/G/1はうまくいく。
GI/G/1待ち行列の待ち時間は上記の式3.142、3.143、3.144を用いて近似出来、下限と上限は

  • \frac{\rho_i(C_{a_i}^2-1+\rho_i)+\rho_i^2C_{S_i}^2}{2\lambda(1-\rho_i)}{\le}\hat{W}(\lambda_i,\mu_i,C_{a_i}^2,C_{S_i}^2){\le}\frac{\rho_i(2-\rho_i)C_{a_i}^2+\rho_i^2C_{S_i}^2}{2\lambda(1-\rho_i)}
  • 表7.4
    • 2マシンセンター一様フロー・ショップでの平均フロー時間
  • 表7.5
    • 4マシンセンター一様フロー・ショップでの平均フロー時間

ジョブ・ラウティング多様性

高負荷

  • \rho_i{\appro}1i=1,...,m

と同じ装置台数で同じサービス時間分布と同じ利用率を持つマシンセンターを仮定する。また、

  • v_i=1i=1,...,m

である。

質問:どのジョブ・ラウティングが平均フロー時間を最小にするか?
答1:もし

  • C_a^2{\ge}C_S^2

かつ

  • C_S^2{\le}1

ならば、一様フロー・ジョブ・ラウティングが平均フロー時間を最小にする。
答2:もし

  • C_a^2{\ge}C_S^2

かつ

  • C_S^2{\ge}1

ならば、対称的ジョブ・ラウティングが平均フロー時間を最小にする。

フロー時間の分散

平均フロー時間は役に立つ情報であるが、納期の設定には充分ではない。下の2つの分布は同じ平均を持つが、もし納期を以下のように設定すれば、遅れジョブは分布Bにおいてはずっと可能性が高い!

集約ジョブのフロー時間

我々が任意のタグ付けされたジョブの進捗を追跡しているとする。もしK_iがジョブがマシンセンターiを訪れる回数であるとすると、そのフロー時間は(K_iv_iが平均になるような確率変数である。)

  • T=\Bigsum_{i=1}^m\Bigsum_{j=1}^{K_i}T_{ij}
    • ただしT_{ij}ij回目の訪問で費やす時間である。

全てのK_iの値が与えられるならば、期待フロー時間は

  • e[T|K_i,i=1,...,m]=\Bigsum_{i=1}^mK_iE[T_i]

で、よって「条件なし」で

  • E[T]=\Bigsum_{i=1}^mE[K_i]E[T_i]=\Bigsum_{i=1}^mv_iE[T_i]

分散

同様にして、K_iの条件下でのTの分散と次に条件なしでの分散を求めることが出来る。
\{T_{ij}, i=1,...,n, j=1,...\}\{K_i, i=1,...,m\}が全て独立であり、各々のiについて、\{T_{ij}, j=1,...\}が同一の分布を持つと仮定する。
条件期待値と同様に、条件分散についての関係が存在する。

条件分散の使用。

T\{K_1,K_2,...,K_m\}に依存するので、

  • Var(T)=E_{K_1,K_2,...,K_m}[Var(T|K_1,...,K_m)]+Var_{K_1,K_2,...,K_m}[E(T|K_1,...,K_m)]

と言うことが出来る。最初の項は

  • E_{K_1,K_2,...,K_m}\left[Var\left(\Bigsum_{i=1}^m\Bigsum_{j=1}^{K_i}T_{ij}|K_1,...,K_m)\right]=E_{K_1,K_2,...,K_m}\left[\Bigsum_{i=1}^mK_iVar(T_i)\right]
  • =\Bigsum_{i=1}^mE(K_i)Var(T_i)=\Bigsum_{i=1}^mv_iVar(T_i)

2番目の項は

  • Var_{K_1,K_2,...,K_m}\left[E\left(\Bigsum_{i=1}^m\Bigsum_{j=1}^{K_i}T_{ij}|K_1,...,K_m\right)\right]=Var_{K_1,K_2,...,K_m}\left[\Bigsum_{i=1}^mK_iE(T_i)\right]
  • =\Bigsum_{i=1}^mVar[K_iE(T_i)\+2\Bigsum_{1{\le}i
  • =\Bigsum_{i=1}^mE(T_i)^2Var[K_i\+2\Bigsum_{1{\le}i
  • =\Bigsum_{i=1}^m\Bigsum_{j=1}^mCov[K_i,K_j]E(T_i)E(T_j)

分散

分散の結果の公式は

  • Var[T]=\Bigsum_{i=1}^mv_iVar[T_i]+\Bigsum_{i=1}^m\Bigsum_{j=1}^mCov[K_i,K_j]E[T_i]E[T_j]

もし個々のマシンセンタへの到着が近似的にポアソンであれば、M/G/1変形式(3.73),p.61からVar[T_i]を見つけることが出来る。

しかしやはりCov(K_i,K_j)は必要。

独り言

ここから先がまだありますが、読んでもさっぱりわかりません。ここで一休みします。