Word Whitt: The Queueing Network Analyzer(7)へのメモ
「Word Whitt: The Queueing Network Analyzer(7)」を読んでのメモを今日は書きます。正直な話、翻訳はしたが、これを理解するというのは私にはちょっと大変です。ここでは注目すべき式が出ています。
ノードへの外部到着過程はさまざまなクラスからのノードへの外部到着過程の重ね合わせであるので、セクション4.2での重ね合わせ到着過程のためのハイブリッド近似もまたここで用いられる。もしならば、は問題ではなくQNAはと設定する。さもなければ、
(10)ただし、
(11)は(9)におけるトラフィック強度であり、
(12)である。
私がそもそもこの論文を翻訳しようとした動機は、「Whittかあ。」にも記したように、多数のステーション(ここでは「ノード」)からある特定のステーションにやってくるロットの流れの到着間隔の変動係数の求め方を知りたい、というものでした。そういう目で見ると、上記引用の式(10)、(11)、(12)がこれに答えていると私は見ました。しかし、ここではこれらの式の証明がありません。上記引用を見るとセクション4.2で証明が出てきそうです。楽しみにしておきましょう。
「ダイナミック・ジョブ・ショップ(4)」の「ステップ1(i)」で登場した
- 到着時間のscvは交通変動方程式(Whitt(1983b))
- ・・・(1)
- ただし
- かつ
- によって近似出来る。
と、若干、記述が異なっていますが、おそらく同じ式なのでしょう。
さて、「Word Whitt: The Queueing Network Analyzer(7)」ではもうひとつ、理解しづらい箇所がありました。
分布の混合の2次モーメントが2次モーメントの混合であるという性質を用いてノード変動パラメータを得る。よって
(8)
の箇所です。ここは、「そうだったかなあ」と読み流してしまいましたが、もう一度考えると、どうしてそうなのか、私はよく分かっておりません。だいたい「2次モーメント」って何だったか復習が必要です。で、ググって見ると
- 確率変数の次モーメントとは
ということです。ただし、は平均を表します。
上記の式(8)では
がノードのサービス時間(処理時間)(確率変数とおきましょう)の2次モーメントになるわけですね。そこのところを確かめてみましょう。
まず、
です。次にが確率変数の標準偏差を表すとし、の標準偏差をで表します。すると
ところで
なので
ところが任意の確率変数について
なので
よって2次モーメントである、ということですね。なるほど。
ここから式(8)が成り立つことを理解しましたが、証明をきれいに書く余裕が今の私にはありません。翻訳を続けていきたいと思います。